PMS症状の緩和にいい食事 管理栄養士が選んだ冬の1週間分レシピ
PMSの症状を緩和するのに、食事の改善は思ったより効果的です。生理前の1~2週間だけでも、PMSの各症状の改善に期待できる成分を意識して摂るようにしてみてください。
PMSの症状の緩和には、
・女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボン
・頭痛や肌荒れに効果があるビタミンB6
・イライラやむくみを予防するカルシウムやビタミンD
・神経の興奮を抑えるマグネシウム
などの栄養素を含む食品に効果が期待できます。
これらをバランス良く含む、PMSの緩和が期待できる冬のおすすめレシピを管理栄養士の視点で紹介します。
生理前に食べたい食事レシピ 1日目
●サケのチーズ焼き
サケに含まれるビタミンB6はPMSのイライラ、頭痛、肩こり、だるさ、憂鬱、肌荒れなどに効果が期待できます。
また、チーズのカルシウムもイライラの緩和が期待できます。
今が旬のキノコは食物繊維が豊富で、便秘の改善や、PMSの原因の一つとされる血糖値の急な上昇を抑えてくれます。
サケのチーズ焼き1人分
・サケ切り身 1切れ
・しめじ 20g
・まいたけ 20g
・えのき 10g
・バター 小1
・塩こしょう 少々
・とろけるチーズ 20g
(1)サケの切り身に塩こしょうをふる
(2)しめじ、まいたけはほぐし、えのきは半分に切る
(3)ホイルにバターを塗り、サケの切り身、キノコを乗せて包む
(4)200℃オーブンで15分焼く
(5)とろけるチーズを乗せて、さらに軽く焦げ色がつくまで焼く
●ごぼうのきんぴら
ごぼうに豊富に含まれる食物繊維やオリゴ糖は、便秘の改善が期待できます。
ごまにはマグネシウムが含まれ、イライラを抑えたり、片頭痛の緩和に効果があると言われています。いつも料理にちょこっとかかっていることが多いごまですが、PMSの症状緩和のために、たっぷりとかけていただきましょう。ちなみに、ごまは炒りごまより、すりごまのほうが吸収がよくなります。
ごぼうのきんぴら1人分
・ごぼう 50g
・にんじん 20g
・ごま油 大1/2
・しょうゆ 大1/2
・みりん 小1
・ごま 大1/2
(1)ごぼうはささがきにして水にさらす(ささがきにカットされて売っているものを使うと便利です)
(2)にんじんは千切りにする
(3)ごぼうとにんじんをごま油で炒める
(4)全体に火が通ったら、しょうゆとみりんを入れて、汁気がなくなるまで炒める
(5)ごまをかける
●豆腐の味噌汁
豆腐に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをするので、
乱れたホルモンバランスの改善が期待できます。
味噌汁1人分
・木綿豆腐 70g
・ねぎ 20g
・みそ 10g
・だし汁 150ml
(水150mlと顆粒だし3gでもOK)
(1)だし汁に薄く切ったねぎを入れて火にかける
(2)一口大に切った木綿豆腐、みそを入れる
生理前の食事メニュー 2日目
●豚肉の生姜焼き
豚肉に含まれるビタミンB6はPMSの頭痛、肌荒れ、イライラなどに効果が期待できます。
玉ねぎやニラには、豚肉の吸収を高める働きが、
ニラや生姜には体を温めて冷え症を緩和する働きがあります。
豚肉の生姜焼き1人分
・豚肉薄切り 60g
・玉ねぎ 50g
・ニラ 50g
・すりおろし生姜 小1
・しょうゆ 大1/2
・みりん 大1
・サラダ油 大1/2
(1)玉ねぎは5mmの厚さ、ニラは4cmに切る
(2)フライパンにサラダ油を熱し、豚肉と玉ねぎを炒める
(3)火が通ったら、ニラ、すりおろし生姜、しょうゆ、みりんを加える
●ひじきの煮物
ひじきと油揚げにはマグネシウムが多く含まれます。
マグネシウムにはイライラを抑えたり、片頭痛の緩和が期待できます。
ひじきの煮物1人分
・乾燥ひじき 10g
・油揚げ 20g
・にんじん 20g
・しょうゆ、砂糖 大1/2
・酒 大1
・だし汁 100ml
・サラダ油 小1
(1)ひじきはさっと洗い、30分ほど水につけて戻す
(2)油揚げは熱湯をかけて油抜きをして、細く切る
(3)にんじんは細く切る
(4)サラダ油を熱し、水気を切ったひじき、にんじん、油揚げを軽く炒める
(5)だし汁、調味料を入れて、汁気がなくなるまで弱火で煮る
●サツマイモの味噌汁
サツマイモには頭痛、肌荒れ、イライラなどに効果が期待できるビタミンB6が含まれます。
また、食物繊維が豊富で、PMSが起こりやすくなる原因の一つの、血糖値の急な上昇を抑えてくれます。
サツマイモの味噌汁1人分
・サツマイモ 30g
・ニンジン 10g
・みそ 10g
・だし汁 150ml
(水150mlと顆粒だし3gでもOK)
この食事のポイントはビタミンB6が豊富な豚肉やサツマイモ、マグネシウムが多く含まれるひじきや油揚げを摂ることにより、PMS症状のなかでも代表的なイライラの緩和効果を狙っています。
生理前にパスタが食べたいならこのレシピ 3日目
●あさりのクリームパスタ
あさりには、イライラや片頭痛を緩和してくれるマグネシウムが豊富です。
牛乳と粉チーズのカルシウムで、マグネシウムの吸収がアップします。
あさりのクリームパスタ1人分
・パスタ(乾麺)80g
・玉ねぎ 1/4玉
・あさりの水煮 50g
・牛乳 150ml
・粉チーズ 大1
・塩こしょう 少々
・バター 小1
・パセリ 少々
(1)薄くスライスした玉ねぎをバターで炒める
(2)あさりの水煮、牛乳、粉チーズを加える
(3)茹でたパスタを加えて、塩こしょうで味を調える
(4)みじん切りにしたパセリをかける
●りんごとサツマイモのレモン煮
サツマイモは頭痛、肌荒れ、イライラなどに効果が期待できるビタミンB6を含みます。
サツマイモにもりんごにも食物繊維が豊富なので、便秘改善も期待できます。
りんごとサツマイモのレモン煮1人分
・サツマイモ 1/2本
・りんご 1/4こ
・レモン汁 小1
・はちみつ 少々
(1)サツマイモは皮付きのまま1㎝の厚さに、りんごは皮付きのまま2㎝の厚さに切って、水にさらす
(2)サツマイモとりんごを鍋に入れ、材料がかぶるくらい水を入れ、レモン汁をかけて蓋をして弱火で煮る(お好みで蜂蜜を加えてもOK)
●わかめのスープ
わかめにはイライラや片頭痛の緩和が期待できるマグネシウムが含まれます。
わかめのスープ1人分
・乾燥わかめ 2g
・もやし 30g
・顆粒コンソメ 小1/2
・塩こしょう 少々
(1)乾燥わかめは水で戻す
(2)鍋に水150mlを入れ、もやしに火を通す
(3)戻した乾燥わかめを入れ、コンソメで味をつける
(4)お好みで塩こしょうを振る
ホルモンバランスを整える食事レシピ 4日目
●キムチ鍋
豚肉に含まれるビタミンB6はPMSの頭痛、肌荒れ、イライラなどの症状に効果が期待できます。
キムチには乳酸菌が豊富で、便秘の改善も期待できます。
寒い冬にぴったりのあったかメニューです。
キムチ鍋1人分
・豚バラ薄切り肉 60g
・白菜 100g
・しめじ 20g
・ニンジン 30g
・ねぎ 20g
・木綿豆腐 100g(1/4丁)
・キムチ鍋の素 お好みの量
・ごはんかうどん 1人分
(1)豚肉と白菜は食べやすい大きさ、ネギは斜めに切る
(2)ニンジンはピーラーで薄くスライス、しめじはほぐす
(3)鍋に水200mlを入れ、豚肉、白菜、ニンジンを煮る
(4)火が通ったらしめじ、ねぎ、食べやすい大きさに切った木綿豆腐を入れ、キムチ鍋の素で味をつける
(しめはお好みでご飯かうどんを入れて)
●フルーツヨーグルト
イライラを緩和してくれるカルシウムが豊富なヨーグルトと、
ストレスから体を守ってくれるビタミンCを含むキウイ、
ホルモンバランスを整えて、安眠効果もあるバナナを合わせました。
フルーツヨーグルト1人分
・プレーンヨーグルト 100g
・キウイ 1こ
・バナナ 1/2本
・はちみつ お好みの量
(1)キウイとバナナは食べやすい大きさに切る
(2)ヨーグルトと混ぜる
(3)お好みではちみつをかける
月経前症候群の緩和にいいご飯 5日目
●厚揚げの野菜あんかけ
厚揚げには女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンが豊富で、
女性ホルモンのバランスを整える働きが期待できます。
小松菜にはカルシウムが豊富で、神経の興奮を抑える働きがあります。
カルシウムの吸収率をアップさせる、ビタミンDが豊富なしめじも加えました。
厚揚げの野菜あんかけ1人分
・厚揚げ 1/2枚
・玉ねぎ 1/4こ
・ニンジン 30g
・もやし 50g
・小松菜 1/2束
・しめじ 20g
・顆粒だし 小1/2
・片栗粉 適量
・サラダ油 適量
(1)厚揚げは熱湯でさっとゆでて油抜きをする
(2)玉ねぎは5mmスライス、ニンジンは短冊切り、小松菜は食べやすい大きさに切り、しめじはほぐす
(3)サラダ油を熱して、玉ねぎ、ニンジン、もやし、小松菜、しめじを炒める
(4)水100mlを加え、顆粒だしで味をつけ、片栗粉でとろみをつける
(5)食べやすい大きさに切った厚揚げの上に、野菜のあんかけをかける
●わかめの酢の物
イライラや片頭痛の緩和が期待できるマグネシウムが豊富なわかめと、
吸収率がアップする酢を合わせて酢の物にしました。
さらに、イライラの緩和が期待できるカルシウムを含むしらすも加えました。
わかめの酢の物1人分
・乾燥わかめ 3g
・きゅうり 1/3本
・しらす 5g
・塩 少々
・酢 大1/2
・砂糖、醤油 小1
(1)乾燥わかめは水で戻す
(2)きゅうりはスライサーで薄くスライスして、塩を振る
(3)戻したわかめを絞り、きゅうりもしんなりしたら軽く絞る
(4)わかめ、きゅうり、しらす、調味料を合わせる
●イワシのつみれ汁
イワシにはビタミンB6が豊富で、頭痛、肌荒れ、イライラなどの症状に効果が期待できます。
つみれは鍋用にスーパーで売っているものを使うと便利です。
体を温める野菜もたくさんとれる、ほっと温まるメニューです。
イワシのつみれ汁1人分
・鍋用イワシのつみれ 1人分
・大根 50g
・ニンジン 30g
・ねぎ 20g
・みそ 小1
・顆粒だし 適量
(1)大根、ニンジンはいちょう切り、ねぎは斜め薄切りにする
(2)鍋に水200ml、野菜を入れて火にかける
(3)火が通ったらイワシのつみれ、みそ、だしの素を入れて3分ほど煮る
生理前にいい料理 6日目
●鶏ささみの親子丼
イライラ、頭痛、肩こり、だるさ、肌荒れなどに効果が期待できるビタミンB6が豊富な鶏ささみと、
ビタミンB6の吸収を高めるビタミンB2を含む卵で親子丼にしました。
ささっと簡単に作れて、忙しいときにお勧めです。
鶏ささみの親子丼1人分
・鶏ささみ 1本
・卵 1こ
・玉ねぎ 1/4こ
・小松菜 1/2束
・しょうゆ、砂糖、酒 大1
・のり 適量
・だし汁 150ml
(水150mlと顆粒だし3gでもOK)
・ごはん 1人分
(1)鶏ささみは筋を取って、食べやすい大きさに切る
(2)玉ねぎは薄くスライス、小松菜は食べやすい大きさに切る
(3)鍋にだし汁と調味料を煮立たせ、(1)、(2)を入れる
(4)火が通ったら、溶いた卵でとじる
(5)ごはんの上に乗せ、お好みでちぎったのりをのせる
●アボカドサラダ
アボカドとナッツにはイライラ、頭痛、肩こり、だるさ、肌荒れなどに効果が期待できるビタミンB6が豊富です。
ナッツの食感が楽しめるサラダです。
アボカドサラダ1人分
・アボカド 1/2こ
・ナッツ 30g
(クルミやアーモンドなどお好みのもの)
・レタス 50g
・フレンチドレッシング 適量
(1)レタスは洗って食べやすい大きさに切る
(2)アボカドは皮をむいて、食べやすい大きさに切る
(3)ナッツは袋に入れて、軽く砕く
(4)材料を合わせ、ドレッシングをかける
●じゃがいもの味噌汁
じゃがいもにはストレスから体を守ってくれるビタミンCが豊富です。
ビタミンCは加熱するとお湯の中に流れやすくなりますが、
味噌汁にして汁ごといただくと、効率よくとることができます。
じゃがいもの味噌汁1人分
・じゃがいも 1こ
・乾燥わかめ 2g
・みそ 10g
・だし汁 150ml
(水150mlと顆粒だし3gでもOK)
(1)じゃいもは皮をむいて食べやすい大きさに切る
(2)乾燥わかめは水で戻す
(3)鍋にだし汁とじゃがいもを入れ、火を通す
(4)乾燥わかめ、味噌を溶いて入れる
PMS症状の緩和にいい食事 7日目
●タラの豆乳グラタン
これからが旬のタラはタンパク質が豊富で、ストレスへの抵抗性を高めてくれます。
また、ほかの魚に比べて脂肪が少ないので消化吸収もよく、低カロリーです。
豆乳には女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンが豊富で、
乱れたホルモンバランスの改善が期待できます。
タラの豆乳グラタン1人分
・タラの切り身 1切れ
・玉ねぎ 1/4こ
・ブロッコリー 1/4株
・豆乳 200ml
・とろけるチーズ 20g
・薄力粉 大1/2
・塩こしょう 少々
・バター 10g
(1)タラに塩こしょうをして、バターを熱したフライパンで焼いたら、取り出す
(2)そのフライパンで、薄くスライスした玉ねぎをしんなりするまで炒める
(3)薄力粉を少しずつ加えて炒め、豆乳を加えてとろみがつくまで火にかける
(4)耐熱容器にタラと、ゆでたブロッコリーを入れて、その上に(3)をかけ、チーズを乗せてトースターでこんがりするまで焼く
●ほうれん草の卵スープ
貧血はPMSを悪化させる原因の一つと言われていますが、ほうれん草には鉄分が豊富で、貧血気味の方にお勧めです。
ほうれん草は、タンパク質と合わせると吸収率がアップするので、タンパク質が豊富な卵と合わせたスープです。
ほうれん草の卵スープ1人分
・ほうれん草 1/2束
・卵 1個
・顆粒コンソメ 小1/2
(1)ほうれん草はさっとゆで、食べやすい大きさに切る
(2)鍋に水200mlを入れて火にかけ、ほうれん草、コンソメを入れる
(3)卵を溶いて入れ、軽く混ぜて火を通す
●ツナサラダ
ツナにはイライラ、頭痛、肩こり、だるさ、肌荒れなどに効果が期待できるビタミンB6が多く含まれます。
青魚を買ってきて調理するのは、手間がかかりますが、ツナ缶なら手軽に食べることができます。
また、キャベツにはタンパク質の吸収を高めるビタミンCが豊富ですが、熱に弱いので効率よくとるには生で食べるほうがおススメです。
ツナサラダ1人分
・ツナ缶 50g
(できればノンオイルのほうがヘルシー)
・キャベツ 100g
・お好みのドレッシング 適量
(1)キャベツはスライサーで千切りにする
(2)汁気をきったツナ缶とキャベツを合わせ、ドレッシングをかける
●ライ麦パンや全粒粉パン
血糖値の急な変化がPMSを悪化させると言われていますが、
ライ麦や全粒粉パンには食物繊維が豊富で、糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
毎日食事を作るのは大変ですが、PMSの症状を緩和する働きがある栄養素を、
普段の食事で意識するだけでも違ってくると思います。
できることから少しずつ取り入れてみて、PMSを食事からも改善していきましょう。
ぜひ参考にしてみてください!